【報告】やまぼうしインタープリター養成講座第6回
第6回目となる今回の講座は、木曾川源流の里、木祖村で行いました。
やまぼうしインプリ講座の卒業生であるガイドさんに
木曾地域の歴史や天然林について、分かりやすく面白く教えていただきました。
まずは木曾に伝わる伝統工芸品、「お六櫛」作り体験の様子です。
お六櫛とは、江戸時代から木曾に伝わる伝統工芸品です。
手作りの専用のこぎりを使い、細かく櫛挽きする様子を見させていただきました。
代々受け継がれてきた職人さんの技に感動!
歯が細かいほど価値も高いそうです。
成形された櫛の中から好きなものを選び、紙やすりや専用の道具を使って磨きあげます。
それぞれ材料の木や一つ一つの歯の細かさや大きさが絶妙に違うので悩んでしまいます。
昔からお六櫛の材料に使われてきた通称「ミネバリ」と呼ばれる「オノオレカンバ」の木です。
その名の通り斧が折れるほど硬く重く、お六櫛のような細かい歯の櫛に最適です。
マイお六櫛の完成!
親子三大に渡って使えるといわれているお六櫛、大事に使います…!
午後は、木曾川の源流のひとつである水木沢天然林のトレッキングです。
入り口に「木曾五木」(ヒノキ、サワラ、ネズコ、アスナロ、コウヤマキ)が植えられています。
昔、木材産出のため過度な伐採が進んだことで山々が荒れてしまったとき、
伐採禁止令が出され保護されてきた5種類の針葉樹です。
ヒノキ、サワラ、ネズコなどの針葉樹と、ブナ、ミズナラなどの広葉樹の混合林です。
明るい林内に流れる細い沢は、やがて大きな木曾川になり、飲み水にも利用される大切な水資源です。
樹齢約580年の大サワラ。
伐採が盛んだった時代、三又に分かれていて材として不適だったため、
残されたと言われています。
解放感のある展望台まで登ると、木曾駒ヶ岳など中央アルプスが遠望できます。
“ジャガーの木”と呼ばれている木を紹介してもらいました。
複雑にねじれたり曲がったりした木が多いのも、人の手が入らない天然林ならではです。
木曾地域の人々が森と共に歩んできた歴史、
森を大切に守り、活用してきた技術や知恵を学ぶ、貴重な体験となりました。
木材や水、文化など様々なものを与えてくれる森を次世代に残すために
私たちに何ができるのか、改めて考えさせられます。
(このっち)