「森林教養講座オンライン」
ZOOMを使った新講座が4月に開講しました。テーマは、森の仕組み。双方向の会話を重視する
という謳い文句つきの座学講座です。
初回の参加者は30名弱で、多くは、野外観察会が実施できなくなったことによる代替え受講者。
「30人も参加する状態で、双方向性の高い講義など成立するのか?」。そんな不安と共に迎えた
当日でした。
講座前半は、テンナンショウ属の不思議な形の花について。講師の声だけが聞こえる設定で進め
ました。参加者の声がシーンと静まった時間が15分ほど流れた後、質問タイムへ。講師と参加者
の双方の声が聞こえ、会話のできる設定に変えます。早速、1人、2人と、幾つかの質問を頂けま
した。講師と質問者、1対1での受け答えでした。
後半は、はじめから双方の声が聞こえ、全員と会話が出来る設定で進めました。登山道を写した
写真の中からキノコを見つけるなど、クイズ形式の内容でしたが、参加者の笑いや驚きの声が多く
聞こえ、クイズに対する返答も活発で、今回もっとも盛り上がった時間となりました。
この日、ほぼ全員が違う場所にいましたが、まるで同じ場所にいるような、私はそんな気分にな
りました。おそらく参加者の方々にも、そうしたアットホームさを感じながら受講頂けたのではな
いでしょうか。
1人1人全員と会話することは出来ませんが、大切なのは、完成したストーリーが流れるのでは
なく、参加者と一緒に創るストーリーであること、そして、参加者同士が、互いの顔は見えなくて
も、互いの笑い声や疑問の声をリアルタイムで共有できることだと思いました。
それを踏まえれば、参加者にとって、より有意義な時間をつくるための、多くの可能性を秘めた
講座形式だと思います。
最後に、森林教養講座は、昨年度のお試し配信Web特別講座に係わって下さった方々、さらに、
配信システムの設定、参加者へのZOOMサポート、本番の参加者対応など、極めてハードな裏方を
担って下さっているオンライン講座スタッフの方々、そして、本番前のリハーサルで貴重なご助言
を下さる首都圏講座チームの方々によって支えられています。この場をお借りして、お礼申し上げ
ます。
今後、ZOOMを利用した講座配信の手法が、講座実施のプラットフォームとして組み込まれ、や
まぼうし自然学校の発展につながれば幸いです。
(首都圏東京支部 小宮英之)