【報告】街の樹めぐりコース第2回「目黒エリア」
街の樹めぐりコース第2回「目黒エリア」
5月23日(火)25(木)実施
今月の街の樹めぐりコースは新エリアで開催です。
昨秋の現地調査と、過去の森めぐり「林試の森公園」実施データをもとにコースを策定しました。
集合はJR目黒駅改札。10時になると通勤ラッシュもひと段落です。
西口から出発。交差点を渡り、行人坂を下ります。
この坂は「振袖火事」「車町火事」と並ぶ江戸三大火のひとつ「目黒行人坂火事」とも関連して知られています。
かつてはこの坂の上から富士山が拝めたようです。
坂の途中の大圓寺へ立ち寄ります。
江戸初期、湯殿山の行人が建てた大日如来堂に始まると伝えられ、釈迦如来像、羅漢520体の石仏群は圧巻です。
常緑広葉樹の鬱蒼とした緑。
周囲は目黒区の保存樹林となっています。
坂を下り、雅叙園前の「お七の井戸」へ。
川沿いの大きなスダジイを観察。樹皮が大きく傷ついていますが沢山の葉を茂らせています。
毎年お花見でにぎわう目黒川ですが、川面の白濁が気になります。それには理由が・・
河床の勾配がほどんとなく停滞しやすいうえに、運河からの海水が混じりこのような状態になってしまうのです。
区は浄化対策に着手しました。
川沿いの植栽を観察しながら区立美術館方向へ進みます。
アジサイが咲き始めています!
区民センター内で休息をとったあと公園内の「被ばく2世のアオギリ・カキノキ」ほか樹木を観察。
区内最古、創建から1200年の大鳥神社へ。
都内では珍しいアカガシの巨木。
雄花がたくさん下がっています。
ごつごつとした樹肌が特徴的です。
大鳥神社から目黒不動尊に向かう住宅街にひっそり佇むのは「甘藷先生」こと青木昆陽の墓。
国の指定文化財となっています。
関東最古の不動霊場「目黒不動尊」。軒下で雨宿りしつつ参拝。
女坂、独鈷の瀧と前不動尊を経て林試の森を目指します。
旧林業試験場が昭和53年に筑波に移転。
跡地が林試の森公園となり緑あふれある憩いの場に。
2011年に台風で倒れたユーカリ(樹高34m幹回り329m)がどのように自然に戻っていくのかを観察できるようにしています。
せせらぎ橋、ラクウショウの森を経て南門方向へ。
今日の雨で新緑がみずみずしさを増しています。
南門付近のポプラ(カロリナポプラ)は公園一の高さです。
この時期に裂果して綿毛が飛び出し、風に乗って種子散布されます。
散策路に降り積もった綿毛。
こちらは下見時の画像。
頭上にはまだ実がたくさん。
ぜひ晴れた日に再訪を!
撮影・文/石川順子